ジャムデザインでは、長年に亘って多くのグラフィックデザインに携わって参りました。
そして、お客様の求める(それ以上の)デザインに仕上げていくために、日々デザインの現場では様々な用語が飛び交っています。
という訳で、今回はそんなグラフィックデザイン制作の現場から、いくつかの用語をご紹介していきたいと思います。
・アイキャッチ【Eyecatch】
目を惹きつけるもの。人々の注意を惹きつけるもの。インパクトのあるタイトルや画像を、デザインの目立つ箇所に配する事が多いですね。
・アイコン【Icon】
内容をシンボル化したマーク。一目見ただけで直観的に内容がわかる。という効果があります。最近では、スマホに表示されているアプリのマークもアイコンです。
・あしらい
デザインにおいての「装飾」の事。そのままでもいいけど、何か物足りない。華やかさが欲しい。こんな時に装飾=あしらいを追加します。
やり過ぎると、伝えたい内容がボヤけるので注意が必要。
・アタリ
デザイン上で、一時的に使用する仮の画像やイラストのこと。後で、ちゃんとしたデザインやデータを配置するまでのスペースを確保する場合などに使用します。
・イキ
「生き」という意味で、そのまま生かしておく、ということを指します。このマークは「トル」けど、こっちのマークは「イキ」で。みたいに使います。
・帯/下帯/上帯
デザインの左右端から端まで色を敷く事を「帯を敷く」といいます。デザイン上部の帯は「上帯」、下部なら「下帯」です。
・ガショリ/ガショる
画像処理の事。撮影した画像を合体/拡大/縮小/変形させたりして、修正します。レタッチ。
・カンプ【Comprehensive layout】
「完成見本」をプリントしたもの。デザインはこんな感じになりますよ。という感じで、クライアント様とのやり取りで使用されます。
・キービジュアル【key Visual】
一連の制作物のメインとなるデザイン。キービジュアルが決定してから、派生する一連の媒体物にデザインを落とし込みます。
・金赤(キンアカ)
一般的に、CMYKで指定する際「マゼンタ100%・イエロー100%」で表現される「赤」のことを言います。
・グラデーション 【Gradation】
ひとつの色からもうひとつの色に少しずつ変化していく色合いを指します。一定方向に向かって色が変化していく直線グラデーションと、中心から外側に向かって色が変化していく、円形グラデーションがあります。略して「グラデ」という事が多い。
・グリッド 【Grid】
網目のように均等に分けられた、交差する列と行からなるフレームの事。デザインパーツの配置を揃えられるので、整然とした見やすいデザインに仕上がります。
・コピペ【Copy&Paste】
コピー&ペーストの略。複製して貼り付ける。デザイン以外でも日常的に使われる言葉ですね。
・コンセプト【Concept】
概念。全体を貫く基本的な考え方。コンセプトはとても大事です。コンセプトがグラついていると、デザインもグラグラになってしまいます。最初にカッチリとコンセプトを決める事は、とても大事です。
・コントラスト【Contrast】
2つ並べられたデザイン要素の違い/差を表す数値。基本的なコントラストとして、暗と明、濃と淡、などがあります。
・サムネイル【Thumbnail Sketch】
デザインをラフに手書きしたスケッチを指します。省略して「サムネ」という事が多いです。サムネイルとは「親指の爪」という意味で、それぐらい小さいラフデザインという事。
・シズル【Sizzle】
「ステーキなどを焼く時のジュージューいう音」を表す英語が元です。転じて「食欲を刺激するような食べ物・飲み物の写真」となりました。料理撮影の現場では、シズル感を演出するための様々なテクニックがあります。
・白抜き
画像または色のついた背景の上にある文字や装飾が白である状態のこと。印刷には白というインクはなく、CMYKのどの版にも色がのらないことから、「白抜き」と表現されます。
・ジャンプ率
一番大きい文字と、一番小さい文字の大きさの差の比率の事。ジャンプ率が高いとダイナミックで若々しい感じ、ジャンプ率が低いと知的で大人っぽい印象になります。
また、ジャンプ率を高くして「値頃感」なども演出します。
・シンメトリー/アシンメトリー【symmetry/asymmetry】
シンメトリーは左右対称、アシンメトリーは左右非対称の意。
・スミカゲ
文字に黒のカゲをつけ、立体的にみせる事。印刷業界では、黒の事を「スミ」と言います。
・注意書き/約款
普段目にする様々なデザインには、よく見ると下の方に小さな文字が表示されています。主に掲載内容に関する注意点や情報の補足が記されています。クレームを予防する言葉や、アレルギーに関する事、金銭に関わる内容だったり、かなり大切な情報で、デザインする際には特に気を配ります。
保険の契約書の約款などと似ているため、「約款」という言い方をする事も。有名な注意書きは「※写真はイメージです。」
・テクスチャ【Texture】
質感の事。デザインの表現として、背景に和紙や布など「テクスチャ」を貼ったりします。
・天地
印刷用語では、印刷物の上を「天」、下を「地」と呼びます。従って「天地」は印刷物の高さの事。デザインの現場でもそのまま「天地」といいます。
・トル/トリ
「削除」という意味です。デザインの直しで赤ペンなどで「←トリ」と書かれます。文字校正時にも使用します。
・トンマナ【Tone&Manner】
トーン&マナーの略で、主に「デザインに一貫性を持たせる」事です。一つのデザインの中で、キーになる色や文字表現等がバラバラだと統一感がなく、落ち着かないデザインになります。その場合、「トンマナをあわせて下さい」となります。
・ひげ
文字の下に筆描きなどのラインを入れる事。または、極太の筆文字の事を「ひげ文字」といいます。
・ビビッド【Vivid】
色や映像などが「鮮やか」な事。原色に近い色という意味でも使います。反対語は「ぼんやりした/淡い」を意味する「ペール【Pale】」。ちなみに「パステルカラー」は「中間の色」という意味。
・フォント【Font】
書体の事。
・袋文字
文字装飾の一種で「輪郭線のある文字」の事。
・ベタ
CMYKいずれかの数値が100%の色、またはCMYKのどれか100%を掛け合わせた色の事。デザインの現場では、100ペーセントでなくても単に1色で塗りつぶす際にも「ベタ1色」といいます。
・マド
デザインの中に、罫線で四角などのスペースをつくる事。白いマドに黒い罫線なら「白マドスミケイ」となります。
・ラフデザイン【Rough design】
ラフは「大まかな」という意味。「ラフ案」ともいい、大まかな方向性を決める時などに使います。サムネよりは最終デザインに近いイメージ。
・ワイプ【Wipe】
本来は、元の画像を「拭き取る」ように次の画像が入ってくる映像技術が元。今では、メインの画面の一部分に小窓のような別画面がある事を「ワイプ」という。
こうしてみると、色んな言葉を使っていますね。
意味を正しく理解し、スムーズにデザインをしていきたいです。
機会があれば、【印刷用語編】や【動画撮影/編集用語編】等も、あげていきたいと思います。