カメラ・撮影

カメラトーク その1 『露出』ってなんだ?編

どうもこんにちはだいちゃんです。

 

最近はなかなか外に出歩いて自由に写真を撮るという事もなかなか
難しいご時世ですがたまに出かけた先でカメラを構えるとやはり
写真は楽しいなという事を感じさせてくれます。

今はスマホでパシャリと良い画質で写真が撮れる便利な時代。
そんな時代なのに町の中には一眼レフカメラやミラーレスカメラ
を持った人を見かけたりしますよね。スマホで撮れるのになんで
あんな大きなカメラで撮っているんだ?何をやっているんだろう?
と思ったあなたに今回はその大きなカメラで何をやっているのか
を出来るだけ分かりやすい様にお話ししたいと思います。

 

①スマホとなにが違うのか

はい、そうですねまずはここから。
ざっくりというと画質が違います。
大きなカメラはこの良い画質の写真・動画が撮れるメリットが
あります。
それは何でなの?というと写真動画というのは光によって生み出さ
れているもので、この光を読み込むセンサーの大きさが大きいから
なんですね。
このセンサーが大きければ大きい程、画質や再現性は高く人間の目
で見た映像に近づいているわけです。色の幅が広かったり鮮明さが
違ったりとするわけです。

その大きなカメラでは一般的には35mm一眼レフと言われており
デジタルカメラが世に浸透する前はフィルムカメラだったんです
けどね、そのフィルムサイズが36mm×24mmの135フィルムから
来てるんですね。デジカメでよく聞くフルサイズとかいうのは
このセンサーのサイズが135フィルムを基準に言われています。
機種によってはAPS-Cサイズも一眼カメラにはあります。

このセンサーサイズが大きいと画質はよくなるわけです。
スマホではそのセンサーサイズがiphone10あたりで1/2.9inch
なのでその差は歴然です。そこにカメラが持つどれだけの解像度
で画像を表せられるかも関係してきます(解像度については
がいすーくんのブログで言ってますのでごらんくださいませ)

ピクセルについて

 

サイズだけ見ても一眼レフカメラの違いはわかると思いますが
このセンサーに光を入れる作業もアナログでコントロールでき
るのも大きな特長です。

 

②光をコントロールする

スマホとの違い二つ目はセンサーに読み込むときに細かく設定を
変えれてコントロールする事が可能です。
カメラに光を取り入れるときに重要な要素が3つあります。

 

1.絞り値(F値)
2.シャッタースピード
3.ISO感度(イソカンド、アイエスオーカンド)

 

この機能を細かく変更する機能があり、微妙に変更しつつ
撮りたい絵を作っていくのです。
撮ったけど暗かったり明るかったりする場合はこの調整が
出来てないという事なんですね。簡単に図で表します。

光をセンサーに入れる作業を図の様にバケツに水を入れる
作業に例えます。

絞り値はレンズを通して光を通す穴の大きさのことで、
図では水を流す蛇口の穴、強さだと思ってください。
数値が大きければ大きいほど穴は小さくなります。
逆に0に近づけていけばいくほど大きくなります。開放値とか
はそのレンズが持つ最大限開けて大きくできる最大値の事で
水を通す穴が大きいわけでそうなると同じ量の水を流すに
してもかかる時間が変わってきますよね。
その時間がシャッタースピードです。

穴は大きいからいっぱいになるまで短時間ですむし、少し
小さくすると一杯まではそれより少し時間がかかりますね。
その関係性を踏まえたうえでじゃあその数値は微妙に変える
ことが出来るのかというと、それはノーです。
変えられる数値というのが決まっていてその数値を段階的に
操作し光をコントロールしていくわけです。
ここからはちょっと数学の話になりますが絞り値にしても
シャッタースピードにしてもその段階は絶対数であって
変わることはありません。

実は上図の3つのバケツは値は違いますが全部同じ光の量です。
つまり同じ明るさの写真が撮れるという事ですね。

今度はその数値の関係性がわかる図です。

縦軸に絞り値、横軸にシャッタースピードになります。
光の量を調節する時に使われる露出の単位をEVといい、それを
日本語で『段』と言っていて黄色線の数字が大きくなるほど
暗くなります。黄色線上は同じ露出(明るさ)となります。

値はだいたい2分の1ずつ細かくなっていきますので
分かりやすいのですが絞り値はなんでその数値なの?と
言いたくなるような数値で分けられています。説明が難しいので
そういうもんだと思ってください。それで各数値の段階を
先ほどの『段』で表現します。例えば2.8の一段上は4、
11の2段下は5.6と言った感じに明るさの基準を変更させるときに
使います。シャッターも絞りも1段階を2倍(2分の1)で表すのは、
1段階の違いを同じにするためです。

数値を細かくは変えられませんが各段の間は1/3刻みで変えられ
ます。カメラによっては設定で1/3刻みか1/2刻みにすることが
可能です。


図は段の関係性がより分かるようにしてみました。
1段ごとに変えてみると分かりやすいと思います。

そしてこの段階は写真を撮る時に非常に大事です。
撮った絵が明るかった場合や暗かった場合など、調整をしないと
良い写真が撮れないからです。機械任せでも調整は効きますが
何故そうなっているのかを理解していない限り、コントロール
して自分が写したい被写体を意図した様に撮れません。
それはフォーカス(ピントを合わせる)も然りです。

また、被写体や状況によってはAV優先(絞りを固定させてシャッター
は自動)とTV優先(シャッターを固定させて絞りを自動)モードと便利
な機能は色々あります。

 

図に戻りますが、適正値がある一定の座標だとすると
同じ明るさの絵を撮るなら絞り値を一段上げたらとシャッターは
スピードは一段下がります。
例えばシャッターを1/30、絞りを5.6で撮るとします。表でいう所
の黄色線の10番が撮りたい絵の適正ラインです。ここで同じ明る
さを撮りたくてシャッターを1/125にして手ブレしないように
したいとします。その場合、1/30から1/125までは2段変わります。
同じ絞り値だと暗くなってしまいますので絞りを2段変えなくては
いけません。この10番のライン上は同じ明るさになりますので
絞りは2.8となるのです。これは絶対です。

この関係性を応用しシャッターや絞りを操作し、思うように
光をコントロールし写真を撮っていきます。
露出により写真がどう変わるかというと、バケツ図にあるようにボケを
強く弱くしたり、シャッタースピードが速い写真は動きがピタッと
止まったような写真が撮れます。

 

じっくりと構えて時間をかけて撮れる被写体は考える時間がわりと
ありますが、瞬間が大事な被写体ではその場その場で急いで露出を
変える必要も出てきますので、いかにこの露出を操れるかが写真
撮影における肝なんです。マニュアルで操作できるカメラの面白い
所ですね。この作用をおさらいで試しに撮ってみましょう。

① F値2.8  シャッタースピード1/125

モデルは弊社ゆーさんの3インチドローンくん。
露出はF値2,8 シャッタースピード1/125です。これを適正とします。
F値が5.6の場合はシャッタースピードはいくつでしょうか?1/30です。
F値を0に近づけるほどピントの合う範囲は狭くなるので、写真上で
はGoproケースあたりくらいしか合っていません。
うーん、これをもう少しピントを後ろの方にも合わせたいな、と
してみましょう。同じ明るさでF値を11くらいにしてみます。

② F値11  シャッタースピード1/8

後ろのバックルあたりにもピントがきて全体的にパキッと
シャープになりました。これだけでも印象は変わります。
シャッタースピードは1/8です。ピントは合う範囲が広がり
ますが、1/8では手ブレしてしまう可能性がありますので
そんな時は三脚を使ってカメラを固定させましょう。
手ブレするかしないかは使っているレンズのmm数
(焦点距離)分の1が目安です。
ちなみに、1段暗くします。F値はそのまま11で1/15。

③ F値11  シャッタースピード1/15 (②より1段暗い)

ちょっと暗くなり、Goproケースの文字が読みにくいですね。
さらにもう1段暗くします。

④ F値11  シャッタースピード1/30 (②より2段暗い)

だいぶ暗くなりますね。少し設定を変えるだけでこれだけ変わります
完全にGoproケースの文字が読めませんね。
次に真ん中のバックルの部分にだけピントを合わせたい!そんな時。

⑤ F値2.8  シャッタースピード1/125 (①と同じ露出)

露出は①と同じで手前にピントが来ていましたが
奥の方にずらします。そこを強調して見せたいときやニュアンスを
変えたい時などはそうします。これだけで違った感じになります。

という感じで露出を変えるとどんな効果があるか、どう変えるかが
分かって頂けたかと思います。

 

そして最後の3つ目の要素、ISO感度です。

この感度は光をいれるセンサー自体に受ける光の量を変えて
増幅させることが出来ます。幾らでも上げれるかというとそうでも
なく粒子が荒れて画質が悪くなったりするデメリットがありますが
最近のデジカメは優秀で凄い上げれます。凄い上げれると言われ
ても良くわからないかもですが、とにかく凄い上げれます。
感度の段階も2倍ずつ上がっていくので露出の関係性と同じです。
基準はISO100です。そこから増幅させて200,400,800,1600,3200,6400
と上げていく形になります。

例としては①の写真を撮るとしてF値は2.8だけどシャッタースピード
が1/125も稼げず、1/15でシャッターを切れるけど三脚がない場合。
手ブレしないシャッタースピードまで感度を上げてあげれば万事解決
です。1/15からは3段必要なのでISOを800にしてあげればOKですね。
夜や暗い所での撮影などがそうなります。

 

ちなみにNDフィルターの4,8,16,32も同じ関係性で表されます。
NDフィルターとは露出を下げて暗くしたい時に使うフィルターです。
例えばNDなしが1として8というのは、3段分の明るさを暗くする事が
出来ますので、日中明るくてシャッタースピードが1/2000にもなって
しまう時はND8を付けると1/250まで落とすことが出来、ND32だと
5段分の効果があるので1/60まで落とす事が出来るのです。
絞りを開けてピントをボカしたい時やシャッタースピードを落とし
動画などのパラパラ感を防ぎたい時など有効です。

 

 

撮影するときは被写体の良さを最大限に引き出すために、画角や
アングル、表情など意識を向けなくてはいけない事が沢山あるので
この露出の関係性を頭で考えずに無意識で変更できる様になれば
瞬間勝負の撮影でよりいい写真、映像が撮れると思います。
カメラマンが撮影している時は常にこんな事を考えやっています。
スマホで写真を撮るにしても同じです、カメラ側で光を自在に操る
事を意識してみたらもっと楽しさが増えますよ!

撮影後のレタッチで明るさコントラスト色味などは変えられはします
けど、あくまでそれは補うという範疇だと思いますので、最初から
頼り切っていると撮影技術において上達はしないと思っています。
使いようです。これは書き出すとキリないので割愛します。

 

今回は露出についてお話してみました。

これであなたは光マスターです。次回はもう少し踏み込んで
光の種類や被写体によっての光の捉え方など書いてみようかなと
思います。ではまた。

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この記事を書いた人

営業部だいちゃん

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ウォーキングデッドのダリルに似ていると言われます。ベニーシングスに最近ハマってます。公園巡りと商店街巡りがツボ。寂れたものに愛着を感じます。

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